2022/07/26
トウモロコシの栽培方法(播種~定植まで)
トウモロコシを栽培してみよう!
夏野菜の代名詞、大人からお子さんまで、みんな大好きトウモロコシ!。
トウモロコシは「鍋に湯を沸かしてら収穫する」と言われるくらい、収穫後少しでも早く茹でることで、甘くて美味しくなります。そのためには、自分で栽培するのが一番ですね。
今回は、そんなトウモロコシの栽培方法の記事です。
トウモロコシの種類と特徴
本当に種類の多いトウモロコシですから、どれを栽培しようか迷ってしまいますよね。特徴を簡単にまとめてみました。
フルーツコーン系
トウモロコシの甘み成分である「ショ糖」以外にも、果物に含まれる「果糖」や「麦芽糖」を含んでいるため、野菜と言うより、果物を食べているような感覚になります。
生で食べた時に、ジューシーは味が口いっぱいに広がり、トウモロコシとは思えない、爽快な味わいです。
(品種)
・ハーモニーフェスタ
・サニーフェスタ
・ホワイトフェスタ等
スーパースイート系
上記のフルーツコーン系よりも、さらに甘さを追及したトウモロコシで、特に「ショ糖」の含有量が高く、とても甘いトウモロコシです。生で食べれば実感できる旨さです。
(品種)
・ゴールドラッシュ
・ゆめのコーン
・しあわせコーン
・ピュアホワイト等
従来種
いわゆる、「昔懐かしの味」と言うやつで、もっちりとした触感がありますので、幼き頃に食べた屋台の焼きとうもろこしの味です。
近年は、甘いトウモロコシが人気ですが、昔から変わらない味もいいですよね。
(品種)
・黄もちとうもろこし
その他
見た目や食べ方で分類していくことも出来ます。
通常は黄色いトウモロコシですが、白いトウモロコシや、ポップコーン専用品種があります。
まずは、白いトウモロコシから。白いトウモロコシは見た目がとにかく綺麗!純白なトウモロコシは食べる人の気持ちまでもきれいにしてくれます。白は多くがあたらいい品種で、甘いものが多いです。
ポップコーンに使用されるトウモロコシは、「ポップ種」や「爆裂種」と言うもので、他のトウモロコシとは、異なります。ですので、通常のトウモロコシではポップコーンを作ることは出来ません。ポップ種のとうもろこしは種皮が硬く、加熱すると内部の水分が蒸発して膨張し、種皮が圧力に耐えられなくなり破裂してポップコーンになります。
正確にはトウモロコシ(未成熟)とは異なるのですが、「ヤングコーン」も同じトウモロコシから収穫できます。大きなトウモロコシを収穫しようと思うと、一番上のみ残して、他は早めにとってしまうのですが、これがヤングコーンです。
サラダなどに入っているのを見かけるのではないでしょうか?コリコリした触感がたまらく美味しいです。
(品種 ホワイト)
・ピュアホワイト
・プラチナコーン
・ホワイトフェスタ
(品種 ポップ種)
・まるポップ
・イエローポップ
畑づくり・畝作り
種まきの1~2週間くらい前に、苦土石灰・堆肥・鶏糞・化成肥料を入れておきます。通常、同時に入れる障害が出ると言われていますが、私のやっている三和農園では同時に施行しても障害が出たことが無いので、いっぺんにやっていますが、余裕がある方でしたら、別々に入れた方がよいでしょう。
この時ポイントは、化成肥料は一番最後に入れることです。
苦土石灰・1㎡あたり60g~70g
堆肥・1㎡あたり2kg~3kg
鶏糞・1㎡あたり500g
化成肥料・1㎡あたり150g
トウモロコシ栽培は、雑草が伸び始める時期と重なるため、草取りの手間を省くためにもマルチを張った方が管理はしやすくなります。また、地温を上昇させ、収穫時期を早めることも出来ますので、黒マルチを張ることを張ることをおすめします。
他の野菜もそうですが、トウモロコシも同様に「水はけ」が大切です。
地域(土の状態)によっては、畝を作らなくも栽培できることもありますが、やはり、畝を作る方が無難でしょう。
畝は、高さ10㎝以上、畝幅を90㎝程度取ります。この畝に2条でトウモロコシを栽培していきます。
種まき方法
トウモロコシは、ある程度まとまった数(10株以上)をまとまった場所で栽培必要があります。これは、実ができる過程で大切なことですが、受粉に関係しています。トウモロコシの上の部分が雄蕊で、そこから花粉が落ちてきます。
その花粉が、実の部分にある髭に付くことで受粉が完了します。この時、まとまって栽培していると、自分の株以外の花粉も受粉できるので、綺麗なトウモロコシが収穫できます。
それでも、場所的にまとめて栽培できない方は後述する「人工授粉」に挑戦しましょう。
さて、いよいよ種まきですが、方法は2つあります。
1・直播(畑に直接種を蒔いていきます)
2・育苗(セルトレイやポット種を蒔いて苗を作り、それを畑に定植していきます)
1・直播について
文字通り畑に直接種を蒔いていく方法で、育苗を比べて、定植作業の手間が省く事ができます。ただし、種まき後から発芽までは、定期的に潅水して乾燥しないように管理をしていく必要があります。
マルチに10㎝程度の穴を開け、そこに種を3粒程度蒔いていきます。
指で1㎝~1.5㎝の穴を開け、そこにトウモロコシの種を落としてから、土を被せます。全ての野菜に共通していますが、一般的に土を被せる(覆土)深さは、種のサイズの3倍と言われています。トウモロコシは種が大きいので、他の野菜よりも、少し深めになります。
蒔き終わったら、十分に水をかけて完成です。この後は、土の表面が軽く乾いたら潅水をして、蒔いた種が乾燥しないように管理をすると1週間から10日程度で発芽してきます。
2・育苗について
ポットで育苗する場合
10㎝程度のポットに3~4粒の種を蒔いて、間引きを行い、最終的に一番良い物を1つだけにします。
種まき方法は、「直播」とほぼ同じで、ポットに市販の培土を入れた後1~1.5㎝程度の穴を開け、一つの穴に1粒の種を入れて、覆土をします。発芽したら一番成長の良い物を残して残りは間引いていきます。苗が出来たら畑に定植していくのですが、いつ畑に移植するかが大切です。
目安としては、背丈が15㎝程度ですが、一番重要なのは、根っこの状態がどうなのか?です。ポット内にしっかり根っこが回っていれば、ひっくり返してポットからそっと土を取り出した時に、土が崩れることは有りません。
崩れるようでしたら、根っこの回り(成長)が未熟ですので、もう少しポット内で管理をしていきます。崩れないようでしたら、根っこの状態は適切ですので、畑に定植していきます。
セルトレイで育苗する場合
セルトレイ(プラグトレイ)を使用すると少ない面積でたくさんの苗を同時に作ることが出来るのでお勧めです。
128穴のセルトレイに市販の培養土を入れるのですが、この時使用する土はプラグトレイ専用の物を使いましょう。通常の培養土では目が粗いので上手く穴に入っていきませんので、目の細かい専用の培土を使用していきます。
セルトレイの上に培土を広げて手で伸ばすと、綺麗に全ての穴に入っていきます。商品にもよりますが、事前に水を混ぜてからセルトレイに入れる物もありますから、説明書をよく読んでやっていきます。
入れ終わったら、指で1㎝くらいの穴を開けて、そこに種を落としてきます。この時に種のとがっている方を下に向けると発芽良いと言われています。
種が入ったら、先ほど使用した土を上から掛けて、手で広げていけば覆土は完成です。しっかり水をやっておきましょう。
定植方法
ポットで育苗した苗は背丈が10~15㎝程度で移植していきます。畝にポットと同サイズの穴を開け、そこにポットをひっくり返して土が崩れないように取り出した苗を定植していきます。この時深すぎるとそこに水が溜まってしまい、成長に悪影響を及ぼしますので、深植えにならないように注意します。
定植が終わったらたっぷり水をやっておきます。
セルトレイで育苗した場合は、ポットよりも小さめで定植するため、本葉が3枚程度でセルトレイから引き抜いた時に土が崩れなければ定植できます。
畝に指で軽く穴を開け、その穴に定植していきます。ポットよりも土が少なく固定が悪いので、定植後に周の土を押さえて(鎮圧)苗がこけないようにしておきます。
その後たっぷり水をやったら完成です。
今回はトウモロコシの播種~定植までの記事になります。次回は定植から収穫までの管理です。
お楽しみに!